第44回 日本股関節学会学術集会

会期
2017年10月20日(金)・21日(土)
会場
京王プラザホテル
会長
山本謙吾 東京医科大学整形外科学分野 主任教授

会長挨拶

第44回日本股関節学会学術集会を開催させていただくにあたって

山本 謙吾
東京医科大学整形外科学分野 主任教授

この度、第44回日本股関節学会学術集会を平成29年10月20日(金)と21日(土)の2日間にわたり、東京新宿の京王プラザホテルで開催させていただきます。本学会は、股関節に関する基礎、臨床研究の促進および発表、連絡、提携をはかり股関節学の進歩普及に貢献することを目的として昭和49年(1974年)日本股関節研究会として発足いたしました。その後諸先生方のご努力によって発展を遂げ、平成3年(1986年)の第13回からは日本股関節学会となり、さらなる成長を続け、現在では学会会員数は3000名余に至っております。東京医科大学といたしまして初めて本学術集会を開催させていただくことは、大変名誉なことであり、光栄に存じます。ひとえに会員の皆様のおかげと心より感謝いたしております。

股関節学は整形外科学において極めて古い歴史を有し、その疾患対象も先天疾患、感染症、外傷、変性疾患、腫瘍等非常に多彩です。そして新生児から高齢者に至るまで全年齢層にわたります。従って股関節学を目指そうとする医師は極めて広い領域の知識、技量を習得する必要に迫られています。特に近年は整形外科学領域においても様々な技術革新が進み高度な先端技術が臨床応用されるようになり、診断面、治療面において吸収すべき内容が急速に増大しています。従って日々の診療と最新技術の習得を常に両立させていかねばなりません。

近年整形外科を志す若者たちを拝見していますと、知識の豊富さ、有している情報量の多さにはしばしば驚かされます。検査手技や手術手技をはじめとする医療技術もすばやく理解し、さらに新しい技術をいち早く取り入れようという意欲にもあふれています。そのスピード感、向上心には素晴らしいものがあります。もちろん医学研究においては新規性の高い仕事が重要視され、それを迅速に表現していくことが一つの評価基準になりますが、一方で、結果を性急に追求することに奔走し、診察手技の理論や数ある手術手技の中でその手技が認められるようになった経緯などを理解しないままに知識やスキルを獲得しようとする傾向が目に付くことがあります。多くの先輩たちが種々の臨床経験の中から確立してきた基本事項を理解せずにおこなう医療の先には大きな陥穽が待ち受けています。外科医として臨床の種々の現場において冷静に状況を把握し、迅速かつ適切に医療を実践するための技量を習得するには、基本的な思考や修練を反復することが不可欠であり、捷径を求めることにとらわれて基本習熟を怠ったままでは不測の状況に対処する能力の低下を招きかねません。また本学会の会員の多くは外科医ですから、手術成績の向上、手術手技の開発につながる研究に多くの力が注がれるのは極めて自然ですが、股関節学を志す者は多くの保存治療や外科治療前後のリハビリテーションを理解して適応する基本的能力も発展させなくてはなりません。

このような思いから今回の学術集会のテーマを「Stick to the Basics」とさせていただきました。基本に従う「Follow the Basics」にとどまらず、「Stick to the Basics」つまり基本にあくまでもこだわれということを強調したいと思います。

股関節を専門分野とするからには、必ず理解し、把握し、そして実践できるようになっていてもらいたい基本的知識、技術そして思考過程を学ぶための講演、シンポジウム、パネルディスカッション等を企画させていただくつもりです。医師のみでなく、股関節医療に携わる看護師、理学療法士、臨床検査技師をはじめとしたすべてのメディカルスタッフの方々に、基本にこだわった股関節学を学び、実践していただくための足がかりとなるような学術集会となるよう努力いたしたいと思いますので、どうぞ是非多くの皆様のご発表、ご参加を心よりお待ち申し上げます。